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カイロは何ゴミ?正確なゴミ分別と処分方法をストーリー

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ショートストーリー 「この物語はフィクションです」

雪が降りしきる街角で、春代と勇治は凍えそうな手をこすり合わせながら、吐息を白くしていた。春代はコートのポケットから一つのカイロを取り出し、思い悩むようにそのパッケージを見つめた。勇治は首を傾げながら彼女の顔を覗き込んだ。

「どうしたの、まだ開けてないの?」勇治が尋ねると、春代は小さく首を縦に振った。

「これ、捨てるのに困らない?カイロって何ゴミになるのかしら」と春代はつぶやいた。二人の間には、捨て方の知識のない不安が浮かんでいた。勇治はポケットを探り、スマートフォンを取り出した。「調べようよ。それに、使わないともったいないじゃないか」と提案した。

春代は頷き、渋々ながらもカイロを握る手に少し力を込めた。勇治の指は画面を滑らかに動かし、情報を探し始めた。一方の春代は、冷たい風に耐えながら、彼の行動を静かに見守る。

勇治が見つけたのは、地域による分別方法の違いについての記事だった。東京都渋谷区では不燃ゴミ、一方で大阪市では燃えるゴミとしての分別になることを発見した。記事によると、使い捨てカイロは鉄やバーミキュライト、活性炭など、成分によって扱いが変わるため、自治体ごとに処分方法をチェックすべきだと書かれていた。

春代は勇治の説明を聞きながら、「そうなんだ。でも、今はどうすればいいのかしら?」と再び不安げな眼差しでカイロを見た。

彼らがいたのは小さな街、自治体のルールも探さなければならない。勇治は「こうなったら市役所に聞いてみるのが一番だ」と笑いながら提案した。春代も笑顔を見せ、二人は市役所へ向かうことにした。

市役所はすぐ近くだった。彼らは、寒さで赤くなった頬をなんとか暖めながら、早歩きでそこへと進んだ。到着するや否や、春代は思わず「あったかい!」と声を上げた。勇治は受付の女性にカイロの処分方法について尋ねたところ、「凍えてきたらいつでもお越しください」と暖かく返答された。そして、彼らの街では使い終わったカイロを普通ゴミとして捨てることが許されるとのことだった。

勇治は「今からカイロを温めよう。あとで安心して捨てられるからね」と提案し、春代はホッとした表情でうなずいた。

その後、二人はカフェに寄り、暖かい飲み物と共に、今日の小さな冒険を楽しんだ。一つの小さな疑問が、共に時間を過ごすきっかけを作ってくれたのだ。

冬の日は短く、ふたたび夕暮れが彼らを包んだ。市役所から得た情報で心も体も暖まった二人は、さほど重荷でもないカイロの捨て方を知り、次の冬に備えることとなった。そして、日が暮れる中で、春代は勇治の手を取り、微笑みながら言った。「おかげで、ほんのりと暖かい冬の一日になったわ。ありがとう。」

それは二人にとって、忘れられない冬の記憶となった。カイロという小さな疑問が、ふたりの絆を深める一ページを生み出したのである。

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